美容師の彼女

・行きつけの美容室

僕はいつも髪の毛を切って貰う場合には美容室に行きます。
学生の頃は適当にその辺にある安い大衆理容などに行って髪を切っていたのですが、社会人になって仕事上で色々な人に出会う事が多くなったので、今は美容室で見栄えが良いようにカットして貰い、セットもして貰っています。

僕がよく行く美容室はもうずっとお世話になっているところで、店長とも顔見知りなんですよね。
色々とファッションについても相談に乗ってくれるのでとても良いお店です。

スタッフさんもみんな良い人ばかりで、行くたびに色々な話をしています。
そんな僕が行きつけとしている美容室に中途採用で入ってきたのが彼女でした。

私が付き合っている恋人である彼女と初めて知り合ったのは彼女が途中入社してきた美容室だったんですよ。
最初は「可愛い子だなー」くらいの印象しかなく、シャンプーして貰う時くらいしか喋る事は無かったのですが、次第に色々な話が出来るようになりました。

音楽が趣味である僕は色々な音楽を聴くのですが、基本的に趣味が偏っているのであまり普通の人は知らないようなマニアックな音楽を聴いているんですよね。

だから僕の周りにはあまり音楽の話を出来る友人なんかはいないんですが、たまたま彼女との会話の中で僕の好きなアーティストの名前が挙がり、彼女も僕と同じジャンルの音楽が好きだと分かりました。

・趣味がぴったり

音楽の話も出来る上に可愛いとあって、僕はすっかり彼女に夢中になってしまったんですよね。
普段なら二か月に一度しか行かなかった美容室にも毎月通うようになりました。

彼女の勤める美容室は朝9時からの営業で、夜は20時まで営業しています。
美容師というのは店が終わったからといってすぐに家に帰れるようなものではなく、居残りしてカットの練習なんかをするのが当たり前のような世界だという事が分かりました。

私の仕事はウェブ関連の仕事なのですが、私の仕事は残業が多くて家に帰るのも大体遅い時間になってしまうんです。
彼女の仕事が終わる時間も遅い時間だと分かったので、一度ダメ元でメールを送ってみました。

まあただ食事に誘っただけでしたが、もう少しで彼女も終わるという事だったので、彼女のお店の近くで待ち合わせて一緒にご飯を食べに行ったんですよ。
彼女は美容師なだけあっていつもオシャレな格好をしていましたね。

そんな彼女とご飯を食べに行き、色々とお互いの仕事や趣味の話を延々として、結局お互い帰ったのは日付が変わってからでした。
その後何度か食事を重ねてから、私のほうから付き合ってほしいと気持ちを伝えOKして貰ったんです。

正直その時は「フラれたらもうお店にも行けない・・・」と思っていたのですが、割と簡単に承諾して貰えたのでそりゃもう嬉しかったですよ。

彼女はとてもおっとりした性格で、喋り方なんかもとても可愛いのですが、美容の話になるととても熱く語り出すんです。
私もそれなりに情熱を持って仕事をしているつもりなんですが、彼女には負けると思っています。

美容師について語っている時の彼女はとても眩しくて、迫力さえ感じてしまいます。
それほど思い入れのある仕事だという事でした。

彼女は仕事が趣味のような感じもあって、私と共通する趣味は音楽だけでした。
へヴィメタルというジャンルが好きな私は色々なメタルバンドの音楽を聴いており、また彼女も色々なメタルバンドの音楽を聴いていました。

音楽の話をしだすとこれがもう止まらない。
同じジャンルの音楽を聴いているので、アーティストの名前なんかも殆ど知っているし、話は尽きませんでしたね。

・素敵な彼女

彼女は家では音楽を聴きながらファッション誌を読んだり、美容関連の本を読んだりしているようでした。
あまり仕事を家に持ち帰らない私と違って、常に家でも美容に関する知識を身に付けようとする彼女は本当に凄いと思いましたし、今でも尊敬しています。

私は元々ファッションにもオシャレにもそれほど興味は無かったのですが、彼女の影響で段々と興味も持てるようになってきました。
これはきっと良い変化なんだなと自分でも思ってしまいます。

やっぱり周りの友人や、職場の同僚なんかにもオシャレになったって言われますしね。
これはとても嬉しい事です。

それにしても人の出会いっていうのは不思議なものですよね。
行きつけの美容室でたまたま出会った途中入社の美容師さんと、たまたま音楽の話が合って、そのまま付き合えるようになるなんて、最初は想像もしませんでした。
勿論最初から好意はありましたけどね。

ただ、美容師さんっていうのはとても美意識が高くてオシャレな人が多いので、当然付き合う人もそういったオシャレでファッションセンスも良い人と付き合うものだと思っていたんです。

そこへいくと僕なんかは全然オシャレでもないし、ファッションセンスなんかは皆無ですからね。
僕の友人達も僕が美容師の彼女をゲットしたと聞いてとても驚いていました。

今でも時々信じられないような気がする時もありますけどね。